教員の働き方

意外と簡単?非常勤講師のなり方 〜リアルな1日のスケジュールや採用試験、本当に使えるエージェントを紹介〜

非常勤講師ちょっと興味が出てきたけど、どうやったらなれるの?

私立って学校ごとの採用って聞いたけど、どうやって募集を見つけるの?

という方に!
今回は、非常勤講師のリアルな1日のスケジュールを公開します。

また、私立学校の非常勤講師にはどうやったらなれるのか?
採用試験の内容や、私が実際にお世話になったエージェントを紹介していきます。

 - この記事でわかること -
✔︎ 非常勤講師として働いた時の生活のイメージができる
✔︎ できるだけラクに非常勤講師の採用試験を終わらせる方法がわかる
✔︎ 非常勤講師の採用試験を受ける時に注意することがわかる


□ 非常勤講師になろうか迷っている
□ 子育てとの両立ができるか不安
□ 授業が終わったら何をしているのか気になる

という方は是非最後まで読んでみてください!

非常勤講師の仕事内容

実際に私が勤務した学校での経験を話していきます。
私立学校の場合、学校により多少違いがあるので、必ず応募前に募集要項を確認しましょう。

非常勤講師の業務に含まれるもの

□ 担当する教科の授業
□ 担当する教科の授業を行うための授業準備・教材研究
□ 定期考査の問題作成・採点
□ 授業を担当しているクラス分の出欠集計・成績評価
□ 定期考査・外部模試の試験監督

基本的には契約したコマ数の授業とそれに付随する業務を行います。

コマ数に対しての給料なので、授業準備をしている時間は給料が発生しません。
授業準備は空きコマに学校でやる先生もいれば、自宅でやる先生もいて、そこは自由でした。

中には空きコマは時給1,100円支給だったり、試験監督手当は別途至急というような学校もありますが、基本的には空きコマがあっても給料が発生しない学校が多いです。

私は拘束時間短めが良かったので、内定をいただいた後になるべく授業を詰めてもらうようお願いしていました。
その結果多くても1日に1コマの空きだったので、その時間に授業準備や出欠確認などを済ませていました!

非常勤講師の業務に含まれないもの

□ 朝礼や職員会議
□ 保護者への連絡
□ 教務や会計などの校務分掌
□ 校外学習や体育祭などの学校行事

授業に関わらないものは業務外、つまりやらなくて良いです!
担当の授業内で何か起こった際には、【担任や学年部長に報告→必要であれば担任が保護者に連絡】という流れなので、保護者と連絡を取り合うことはありません

また、学校行事には参加する必要がなく、行事で授業がなくなる日はお休みになります。

月額固定なのでその分の給料が減らされることもなく、沢山授業が入っている曜日に行事が重なるととても喜んでいました。笑
※月額固定か、きちんと実施した授業数を数えての支給かは学校によります。

私は担当が保健体育科なので、体育祭のみ応援要請があり出勤しましたが、その分は休日出勤手当としてきちんと支給されました!

非常勤講師の1日のスケジュール


では、実際に私が非常勤講師をやっていたとある年のスケジュールをみていきましょう。

勤務条件

勤務先:私立の女子高校(附属なし)
担当教科:保健体育
コマ数:週18コマ
出勤日数:週4日
     (月)5コマ,(火)5コマ,(木)3コマ,(金)5コマ
担当学年:1年生4クラス、2年生4クラス、3年生1クラス



受け持つコマ数については、募集が出た段階で「10-15コマ程度」、「週5日程度」というように目安が記載されています。

面接時や内定後に改めてこちらからも希望を伝えて、決定していくという流れですが、どこの学校もある程度の希望は考慮してもらえました。
(非常勤講師のコマ数や出勤曜日を決めてから専任や常勤の担当を決めていくため)

ただ、面接の際に受かりたい一心で「何コマでも良いです!」と答えてしまうと、内定後も希望を聞かれない場合があるみたいなのできちんと主張していきましょう。

1日のスケジュール 〜授業が5コマある日〜

7:30  起床
8:00  家を出る

8:30  学校に着く、その日の授業準備
9:00  1限
10:00  2限
11:00  3限(空きコマ)
   =休憩、提出物や出席状況確認
12:00  4限
12:50  昼休み(体育教官室にこもり一人ご飯)
13:30  5限
14:30  6限
15:30  授業終了
     担任や学年部長への報告があれば伝える
16:00  退勤

16:30  帰宅
17:00  だらだらタイム / 副業
18:00  夕食
19:00  お風呂
20:00  自由時間
    (映画見たり読書したり家事したり...)
23:00  就寝


5コマ入っている日は間に1コマ空きがあるか、1限が無しで2~6限ぶっ通しかどちらかでした!

私はなるべく勤務時間を短くしたかったのと、5科と違ってプリント印刷といった準備がなかったので詰まっている方がありがたかったです。

非常勤講師は保健体育科でも部活動を持つ必要がないのですが、暇な時は放課後少し残っていろいろな部活に顔を出していました。

その分の給料は勿論出ませんが、授業外で生徒と関わる時間が増えたし、単純に楽しかったです!

1日のスケジュール 〜授業が3コマある日〜

7:30  起床
8:00  家事タイム
9:00  家を出る

9:30  学校に着く、その日の授業準備
10:00  2限
11:00  3限
12:00  4限
12:50  授業終了
     担任や学年部長への報告があれば伝える
13:00  退勤

13:30  買い物(たまに映画観に行ったり)
15:00  帰宅
15:30  だらだらタイム / 副業
18:00  夕食
19:00  お風呂
20:00  自由時間
    (映画見たり読書したり家事したり...)
23:00 就寝


この日は午前中で仕事が終わります。

午後少し残って事務作業をすることもありますが、基本的には即退勤、午後から買い物に出かけたり、副業をしたりと自由に予定を入れられます!

その他例外として、定期試験や外部模試の日は授業はなくなりますが、代わりに試験監督を頼まれていました!

模試は基本的に午前中で終わることが多いですが、給料は月額固定だったので、授業が入っている時と同じだけ貰えます。

非常勤講師になる方法


私立学校の非常勤講師になるには、学校ごとの採用試験を受ける必要があります。

非常勤講師になる条件

✔︎ 学歴:大学卒以上
大学卒以上なので、大学院に通いながら非常勤講師なんかも可能です。

✔︎ 必要な免許:担当する教科の教員免許状

✔︎ 年齢:明確な基準なし
産休明けのママさんや、退職後60歳から非常勤講師を始める方もいます。

採用試験の内容

私立学校の非常勤講師の採用は、学校ごとに内容が決められます。

そのため、受ける学校により多少違いは出てきますが、大枠は以下のようになっています。


□ 一次選考:書類選考
基本的には履歴書と職務経歴書(新卒でない場合)を提出します。
その他教員免許状のコピーや大学の成績証明書が必要な場合もあります。
中には小論文の提出がある学校も。

小論文は自身の教育観を問われたものや、この学校で自分の長所を生かすためにといった、学校と応募者のマッチ度を判断する内容のものが多いです。

□ 二次選考:面接+模擬授業
非常勤講師は1回の面接で終わる学校も多く、ここでは【教科主任・学年部長・事務長】などの先生方との面接が行われます。

模擬授業を非常勤講師の採用で行う学校は半分くらいでしょうか。
内容は公立の教採と大きく変わりません。

15-20分ほどで、指定された単元の授業を行います。
生徒役を無しで行う場合もあれば、他の受験者や面接官の教員が行う場合もあります。

□ 三次選考:最終面接
まれに、非常勤講師でも二段階で面接が行われます。
その場合はここで理事長などの役員が出てくるでしょう。

募集の見つけ方

私立学校の場合は、各学校のHPの ”NEWS” ページに募集のお知らせが載っていることが多いです。

働きたい学校で募集が出ていれば、学校へ直接応募書類を送ります。

働きたい学校なんで分からないし、学校のHPを一つ一つ調べないといけないの...?

いちいち調べていると日が暮れちゃいますね!
募集が出ている学校が一度に確認できるサイトを紹介しますね!

それが、日本私学教育研究所がまとめている私立学校の教職員募集情報サイト。
こちらには各学校から出た求人が一覧となっていて、その教科の募集が出ているかもすぐにわかります。

「私立で働きたいけど狙っている学校は特にない!」という方は、とりあえずこのサイトを見て担当教科の募集が出ている学校を片っ端から見ていくと良いでしょう。
>>私立学校の教職員募集情報はこちらから

※掲載料のかからないサイトなので、募集があると書いていても実際HPに行ったら募集終了していることもあります...
あくまでも学校調べの参考程度にして、最新情報や詳細は各学校のHPを確認しましょう。

非常勤は基本的に年中募集が出ていますが、採用が決まり次第募集終了となるので、気になる学校があればどんどん応募することをおすすめします!

〜募集の出る時期〜
基本的には1年中出ている(現職教員の産休や体調不良の代替などで2学期から〜なんて募集も)。

求人が増えるのは、公立の教採が終わった11月頃から来年度の募集が多くなる傾向があります。
しかし2,3月にも「4月から」という求人もあったりと、求人を出すタイミングも学校によりさまざまです。

これは私の経験からくる主観ですが...
前もって求人が出ている学校ほど学校運営がきちんとされていて、「来月から!」という学校は経営が微妙だったり慢性的に教員が不足している可能性があります。

私が一番最初に非常勤講師になった時は2月末に4月から働ける学校探しを始めたため、決まった学校はお世辞にも経営がうまく行っているとは言えなかったですが(笑)、非常勤なのでそこまで被害も受けることなく平和に1年やり過ごせました。

ともあれ、余裕を持って学校選びをできるに越したことはありません!!
募集状況は日々変わっていくので、非常勤講師を探している時は最低でも週に一度はこの教職員募集情報を確認すると良いでしょう。

>>私立学校の教職員募集情報はこちらから

採用試験を受ける際の注意点

公立の教採と違うのは何と言っても学校ごとの採用であること。

つまり、その学校で働きたい理由をきちんと伝える必要がありますし、学校側に「この先生に働いてもらいたい」と思わせる必要があります。

私立の採用試験に受かるために私が意識していたのは以下のことです。

①その学校の特徴を理解する
→学校HPに載っている学校長挨拶・教育理念・教育の特徴をよく読み、【何を強みとしている学校なのか】を考える。

②その学校にいる生徒を想像する
→HPや学校評判のサイトを見て、【どんな生徒が在学しているのか】を想像する。

③どんな教員が求められているのかを考える
→上記2つから想定されることや、HPの教員紹介などを参考に、【教員に求められている資質】を考える。

「ただ教員になりたい!」という思いだけではダメです。
「なぜその学校で教員になりたいのか」を自分の中で作っておく必要があります。

”進学実績が高いから自分の教科指導力を生かしたい”
”主体性を大事にしている校風だから、生徒自らが授業を作っていくような工夫をしています”
など、いかに自分と学校との教育理念が一致していて、それに合った指導ができるかを伝えられるかがポイントです!

難しく感じますが、学校ごとの採用とはいえ聞かれていることは大体一緒なので、何度かやれば対策も慣れてきます。

非常勤講師におすすめのエージェント

「自分で求人を調べるよりもっとラクに探したい...!」
そんな方も多いのではないでしょうか?

いま現在専任として働いていたり、子育てをしているとなかなか採用試験への時間を作れないですよね。

そんな方に!
私が実際に使っていたサイト・エージェントを紹介します。
私立教員に特化したものを使うことで、効率良く求人を探すことができます。
また、非公開求人を紹介してくれる場合も多く、自分では見つけられない学校を見つけられることも。

1.株式会社イスト / EMPS

代々木進学会と提携のある教員紹介サイトです。
登録料は無料で、非公開の学校の紹介もあります。
登録すると、コーディネーターという担当者がつき、希望に合う求人があれば電話やメールで教えてもらえます。
イストを使用して良かったと感じた部分は、応募した学校の面接を受ける前に面接でよく聞かれる質問やどのような先生が求められているかを教えてくれるところです。
実際に似た質問を聞かれて、スムーズに答えることができました。
>>イストのサイトはこちらから

2.エデュケーショナルネットワーク / イー・スタッフ

Z会、栄光ゼミナール系の教員派遣会社です。
紹介・派遣・紹介予定派遣とさまざまな形態への求人を行なっています。
こちらも無料で利用できます。
非公開の求人が多く、最近アプリもできたので気軽に求人探しができます。
>>イー・スタッフのサイトはこちらから

3.教員人材センター / キャリアビスタ

登録は無料、登録をしなくても求人探しをすることができます。
Youtubeも行っていて、【教採を受ける上で注意すること】や【私立と公立のちがい】など、教員になる上で知っておきたいあらゆる情報を得ることができます。

担当の方の感じが良く、専任・非常勤といった雇用形態だけでなく、他校との兼任・子育て優先などこちらの希望を加味して学校を紹介してくれるため、安心して使用することができます。
>>教員人材センターのサイトはこちらから


他にも複数の教員向けサイトがありますが重複している求人も多いので、ひとまず上記3つを登録しておけば求人を取りこぼすことはほとI んどなくなるでしょう。

エージェントを活用するときの注意点

効率良く学校を決められるエージェントですが、注意すべきこともあります。

① 長期間求人が出ている/多教科で求人が出ている学校は、慢性的に教員不足の可能性アリ

② 学校名を聞くとブラックなところも...

③ 自分の理想の条件はしっかり決めておく!


① 長期間求人が出ている/多教科で求人が出ている学校には注意
こういう学校は慢性的に教員不足の可能性があります。
学校経営や勤務条件に問題があり毎年退職者が出てしまう危険性もあるため、全教科で募集が出ているような学校は評判サイトなども見て慎重に決めた方が良いです。

②学校名を聞くとブラックなところも...
非公開求人の場合、まず条件(学校の最寄り、担当コマ数、中高一貫や進学校などの特徴)だけ伝えられ、「興味がある」とアクションしたら学校名を伝えられます。問い合わせてみて「ああここかあ...辞めときます」となることも何回かありました。

気になる求人があったら取り敢えず詳細を聞き、すぐ応募するのではなく一旦その学校について調べてみるのがおすすめ!「○○学校 評判」と調べれば沢山出てきます。



③自分の理想の条件はしっかり決めておく!
当たり前ですが、紹介会社も学校を紹介するのが仕事です。その為少し自宅から遠くてもマージンが高い学校を紹介されることもあります。
そういった時に「ここしかなかったら...」という不安から受けるのは辞めましょう!
【通勤は40分以内】【時給2,500円以下は受けない】など、自分の中で条件をきちんと決め、見合っていない場合は断り、他を紹介してもらった方が良いです。
意外と、求人はたくさんあります!
今は出ていなくても翌週には出ていることもあるので、就活を終わらせる時期だけ決めたら後はあまり焦らず気長に進めていくとこをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?

少しでも非常勤講師としての働き方がイメージできていれば嬉しいです。

専任や常勤講師と比べて自由度が高い!これに尽きると思います。

産休育休から復帰を考えている方や、専任では疲れたよという方、大学院在学中で学校現場での経験を積みたい方、あらゆる方の理想の働き方ができるのが非常勤講師です。

是非自分の働き方を振り返って、非常勤講師を選択肢に入れてみてください。

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